彗眼

数々の高級時計メーカーがクォーツショックの波に押し流され、経営困難に陥ったにもかかわらず、何故ROLEXはそれを乗り切ることができたのか?
機械式を採用していた時計メーカーも、その後ほとんどがクォーツ式の時計を生産していったが、ROLEXはあえて機械式モデルの開発に力を入れていた。
しかもそれで成功を収めていたというのだから大したものである。

誤解のないように付け加えると、ROLEXもかつてクォーツ式時計に力を入れていた時期があった。
現在1970年代にリリースされたオイスタークォーツ、現在アンティークショップなどで稀に見抱えるモデルだが、一説によれば製造本数のうち10%程度がクォーツ式であったという。

だがROLEXの時計開発の歴史をたどると、スイスの高級時計メーカー全体でクォーツショックによる煽りを受け産業全体が危機に立たされていた1970年代後半から80年代にかけて、このブランドがスポーツモデルの開発に全力を注いでいたことがわかる。

その後ROLEXはエクスプローラーやGMTマスターをリリースし、従来のサブマリーナーやシードゥエラーもマイナーチェンジが行われた。
クォーツ式が登場し機械式は苦戦を強いられていたかのように思えたが、スポーツモデルの開発によって、機械式時計としてのROLEX製品に新たな可能性を見出したのだ。